10月だから、書いとこう。
前原照美さんの作品「シンディ 私の犬」の前で、どうしても涙が止められず、しばらくの間泣いていました。
別の日に行っても、またこの前に来ると涙。
9月にあった
カリグラファーズ・ギルド作品展(関西)でのこと。
(近くに誰もいないときでよかったよ〜
)
額の下のコメントに「12才9カ月で旅立ったシンディに捧ぐ」と
書いてありました。
作品集を前もってゲットしていたから、作品は見ていたけれど、
コメントは会場で初めて見ました。
これに、みごとな不意打ちをくらったんです。
◇
「13才まであと3カ月だった」と、私は言ってたなあと。
実家で飼っていたわんこ
(日テレの故・ZIPPEIちゃんに激似)
のことなんですが。
少しでも長く生きてくれたと思いたくて、そんな言い回しをしていたなあと思い出したわけです。
続く文章に「たくさんの愛と喜び、そして笑いを運んできてくれた」
とありました。
そうそう、いっぱい笑いをくれたんだよね〜と、一瞬でよみがえり、
また泣く。(←苦笑)
たとえばね……。
ピーナッツ
が好物だったので、数個程度なら大丈夫かと思って
渋皮つきをあげると、食べながら薄い渋皮を必ず出すんですよ。
口の端っこから上手にポロンと。
ピーナッツの渋皮を出す犬なんて、いますぅ
(渋皮くらい食べなはれ。あんたはお嬢さまか!)
家族で大笑いさせてもらいましたっけ。
などと、こういうの挙げるとキリがないです。
◇
犬、猫 、ウサギ、鳥、そのほか家で飼える動物は、たいてい寿命が人間より短いので、最初から覚悟しているとはいうものの……。
余命を宣告されたり、実際に死なれたりすると、やっぱり相当きついですね。
当時は私も耐えかねて、ペットロスの本をひたすら買いあさったのを覚えています。
しかも、ペットロスはしつこい。
ずいぶん前の死であっても、ふだんは全く忘れていても、
ある日突然、ふいに来る。
何かの拍子で泣けたりします。
以前、電車に乗ってるときに泣けてきたことがあって。
(きっと、変な人に思われたな)
だから、もし、まわりにペットをなくして悲しんでる人がいたら、
「なんでペットの死くらいで、そんなに」とかって、
どうぞ笑わないであげてくださいね?
「ペット」というより、家族の一員だったはずだから。
◇
「シンディ 私の犬」をよく見ると、暖かい色使いや書体の選び方、
それから丸い模様に至るまで、愛情が込められているのが伝わってきます。
勝手な想像ですが、ロンド体の文字の色は、もしかしたらシンディちゃんの毛の色ではないでしょうか。
私も何か書いてあげればよかった。
(いや、自分のためにか。)
気づかせてくださった前原さんに感謝です。
今からでも間に合うかな……。
いつか虹の橋のたもとで
また会ったら、渡しましょうかね。
今日はちょっとだけ聞いてもらいたかった、
2004年10月永眠の、大切だったポケットの話でした。